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"不満"で転職する時代の終焉 どんな風にジョブチェンジするのが主流になるの?

変化の激しいIT/WEB業界では「転職」の状況がここ3年で大きく変化したそうだ。「不満が募ったので...」という時代は終焉し、新たなフェーズに突入したという。
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WEB・IT業界において、新しい働き方・キャリア、仕事に対する考え方などを取り上げてきたCAREER HACK。今回は「WEB業界における転職」にスポットをあてた寄稿記事をお届けします。元DeNA人事、佐藤さんによれば「生きざま転職」に注目が集まっているそう。一体その概要とは?

生き方と向き合う「生きざま転職」が、自身を最も輝ける場所に導く

ライフスタイル、ワークスタイルが急速に変化し、多様化している現代。CAREER HACKでは、まだまだロールモデルの少ないWEB・IT業界において、そのキャリアのあり方や新しい働き方、仕事に対する考え方などを取り上げてきました。

自身のキャリアを考えていくにあたり、フリーランスや起業という選択肢が増えてきました。同時に転職においても業界全体を取り巻く状況は変化しています。

そこで今回は、人事としてWEB業界の最前線で採用活動などを行ない、さまざまなトライ&エラーを行なってきたcore wordsの代表、佐藤タカトシさんに「WEB業界における転職活動において重要なこと」というテーマで寄稿いただきました。

【プロフィール】

core words株式会社 CEO/Creative Director

佐藤タカトシ

2001年4月、大手人材系企業に入社。11年にわたり、100社以上の採用ブランディングを支援。2012年7月、DeNAに転職。採用ブランディングとダイレクトリクルーティングをメインとして活動。2015年7月、採用ブランディング支援会社、core wordsを設立。

ここ3年で「転職」をとりまく状況が大きく変化している

はじめまして。企業の採用ブランディング事業を展開させていただいております、core words株式会社のCEO、佐藤タカトシと申します。

私は、人材系企業で11年にわたって、100社以上の企業の採用活動のサポートを行いました。その後、ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)にて3年間、自社の採用活動に従事。数百名の転職志望者の方と接してきましたが、まさにこの3年くらいで「転職」をとりまく状況が変わってきました。

大まかなポイントは以下の3つです。

(1)「現職への不満が募ったので転職」という時代は変わりつつある

(2)「守りの転職活動」ではなく「攻めの転職活動」が主流になる

(3)「生きざま」がすべての軸になる

(1)「現職への不満が募ったので転職」という時代は変わりつつある

従来の転職活動の多くが、「現職への不満」がきっかけになっていました。「不満」を解消するために、転職エージェントと面談し自分の価値を査定してもらい、紹介された企業の中で、より給料が高くより仕事が楽そうなものを選ぶ。もしくは、「いい会社からのオファーがくるかも」と転職サイトに登録し、有名企業からのオファーが来れば会ってみる、といったような形で進んでいました。

ところが、特に変化の激しいIT/Web業界においては、従来の活動を行うだけでは、理想の転職先を探すのは難しくなってきています。

企業として、事業を進めるための「スキル」や「工数」を得ることが目的であれば、自社の社員として雇う必然性が薄くなってきているのが実情です。業務委託や高スキルの派遣社員を迎え入れたり、クラウドソーシングを活用したり。有期雇用での契約が、事業環境の変化に対応しやすいことを理由に、増えてきています。

では、自社で雇用する社員には「スキル」と「工数」以外に何を求めているのか。

下記のリンク先にもあるのですが、端的に言えば「カルチャーとのマッチ度」です。変化の激しい時代だからこそ、企業は、会社としての一体感を担保するために、「カルチャーのマッチ度」を重視する傾向が強くなっています。これを個人側の視点に置き換えれば、「自分は何を大切にするのか」「何を成し遂げたいのか」という、いわゆる「生きざま」を指します。企業側の「カルチャー」と個人の「生きざま」。これらふたつの整合性が非常に大切になってきている。これが3年くらいの転職マーケットにおける変化だと、私はとらえています。

▼参考記事:採用最前線!成功の鍵を握るのは「カルチャーマッチ」DeNA×メルカリ×LITALICO×マネタイズ

http://careerhack.en-japan.com/report/detail/540

(2)「守りの転職活動」ではなく「攻めの転職活動」が主流になる

自分の「生きざま」に合う「カルチャー」を持つ企業と、めぐり会うにはどうすればよいか。これはもう、自分で動いてみるしかありません。冒頭で書いたような「守り」ではなく、「攻めの転職活動」を行い、個人から企業にアプローチしていくのです。加えて、自分の「生きざま」をさらけ出して、企業側からのアプローチを待つ方法もあります。

具体的なアプローチとしては、勉強会やハッカソンなどのイベントに積極的に参加することがいいでしょう。講演などを通じて企業の「生の声」に触れることができますし、個別の社員との懇談も可能です。カルチャーに直で触れつつ自分へのフィット感を見極められます。その場で、「貴社に興味を持ちました。ぜひ、別の日に個別にお話しさせていただけますでしょうか」とお願いしてみれば、後日、採用関連の込み入った話もできるかと思います。

一方で、こちらの「生きざま」を先にさらけ出す方法もあります。Blogを書いて個人のプロジェクトを発信してもいいですし、SNSに作品を投稿するだけでも見てくれる人はいます。デザイナーの方ならポートフォリオをWeb上で公開してもいいですし、その他の職種の方でしたら、ライトニングトークで登壇してみるのもいいでしょう。「単発」ではなく「継続」して発信していれば、そこに反応する企業も現れます。また、受け手からのフィードバックからも学ぶことができるので、スキルアップとしても効果的です。

(3)「生きざま」がすべての軸になる

ここで一例をご紹介します。ひとりの人間が「生きざま」をさらけ出した例です。

▼参考記事:DeNAファウンダー南場智子が5年かけて口説き落とした男|SHOWROOM総合プロデューサー前田裕二

http://careerhack.en-japan.com/report/detail/402

こちらに登場している、ライブ動画配信プラットフォーム・SHOWROOMの責任者の前田さんは、「人に負けたいのではなく、運命に負けたくない」という超ストイックな方です。この生き方を貫き、外資系証券会社からDeNAに転職し、SHOWROOMを立ち上げました。その後、アーティスト、音楽業界関係者、ユーザーなど、多くの賛同者を得て独立し、SHOWROOM株式会社を設立。事業拡大の要因として、ビジネスモデルの新しさだけではなく、この記事をご覧になった方とのご縁もあったと聞いています。ひとりの人間の「生きざま」は、「うねり」となって世の中を変えることもあるのです。

変化の激しい時代だからこそ、そこに飲まれるのではなく、「何を大切にするのか」「何を成し遂げたいのか」という「生きざま」を定義する。その不動の軸がある中で、最も輝ける場所でスキルを磨き続け、時代とともにアウトプットを進化させることが大切だと思います。変えないものと、変えるもの。そのふたつに対して、常に真摯に向き合い続ける力こそが、時代を生き抜く力なのです。

一方で、採用する企業側にとっても、さらなる変化が求められてきます。そちらは次回、書かせていただきます。

(つづく)

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