幸楽苑が「290円」ラーメン販売中止へ 売れれば売れるほど利益率下がっていた

幸楽苑が看板商品の290円(税抜き)の「中華そば」の販売を中止する。中華そばが売れれば売れるほど、利益率が下がる状況だった。
幸楽苑

ラーメンチェーンを展開する幸楽苑(本社:福島県郡山市)が11月27日、看板商品だった290円(税抜き)の「中華そば」の販売を中止すると発表した。500円台のしょうゆラーメンに主力商品を切り替え、低価格志向から高単価路線への転換をはかる。東洋経済オンラインなどが報じた。

幸楽苑は国内に501店舗を展開するラーメンチェーンで、他店を大きく下回る290円のラーメンを主力商品として展開していた。しかし、原材料価格の上昇や人材確保競争などで苦戦。利益率の低さも指摘されていた。

幸楽苑の2014年4月〜9月期の売上げは189億2694万円で、ラーメンチェーン「日高屋」を展開するハイデイ日高の2014年3月〜8月期の売上げ171億802万円を上回る。しかし、経常利益や純利益をみると、ハイデイ日高は経常利益が21億7042万円、純利益が12億8034万円なのに対し、幸楽苑は経常利益4億4500万円、純利益は1億4678万円と大幅に少ない状況だ。

資産デザイン研究所の内藤忍氏のブログによると、2012年当時、幸楽苑の新井田傳(にいだ・つたえ)社長の関心事は「低価格ラーメンの注文率を引き下げること」だったという。低価格で売れれば売れるほど、利益率が下がるためだ。

日刊工業新聞によると、幸楽苑は2013年9月に590円の商品を投入。中華そばの注文率を33%から22%に低下させることに成功した一方で、590円の商品の注文率は19%を確保しているという。新井田社長は、2014年10月にオープンし、他店とは異なるメニューを展開する岡山県倉敷市の店舗の成功を受けて次のように話している。

新井田社長は「大好評の岡山県限定ラーメンを見て、290円の中華そばをやめる決心がついた。今の外食業界は低価格路線が失敗している。高単価商品で勝負するグッドタイミングだと感じた。この新商品はわが社を救う“渾身の一杯”になるだろう」と語る。

幸楽苑「290円ラーメン」販売中止の衝撃 | 東洋経済オンラインより 2014/11/29)

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