プリンスの曲は誰のもの?未発表曲のEP「Deliverance」めぐって法廷闘争に

遺産管理者が訴訟を起こした。

プリンスのいるところに雨は降る――それが紫色かどうかはわからないが。

プリンスの没後1年を記念して、生前の未発表曲6曲を収録したEP『Deliverance』が4月21日にリリースされる。

今回の収録曲は2006年から08年にかけて、プリンスと、長年彼のプロデューサー兼共同制作者として活動してきたイアン・ボックスヒル氏によって共同作曲、プロデュースされたもの。このEPにはタイトル曲のほか、4曲でオペラ的な形式となっている「I Am」、「Touch Me」、「Sunrise Sunset」、「No One Else」のほか、「I Am」のロングバージョンが収録されている。

ボックスヒル氏が亡き友人を偲び、2016年EPのミキシングなどを手がけた。プリンスは2016年4月21日、自宅がある「ペイズリー・パーク」で亡くなっているのが発見された。数カ月後、鎮痛剤フェンタニルを誤って過剰摂取したことが死因だと断定された。

「今世界で起きていること、そしてあっという間に過ぎ去った彼の死後1年というタイミングでの『Deliverance』のリリースは時期として適切だと思っています。プリンスの歌声を聴いて、多くの人が元気になってくれることを願っています」と、ボックスヒル氏は語った。「昔プリンスが話してくれたことですが、彼は毎晩のように、メジャーレーベルを通じてではなく直接人々に自分の音楽を届ける方法を考えていたそうです。この重要な作品をインディペンデントとしてリリースすることを決めたのは、プリンスもきっとそう望んだだろうという思いがあってのことです」

今回の新譜は、レコーディングした時点でプリンスは独立していたため、プリンスの著作権の大半を所有しているユニバーサル・ミュージック・グループではなく、インディーレーベル「ローグ・ミュージック・アライアンス」からのリリースとなる。

しかし、ボックスヒル氏を相手取り、ペイズリー・パークとプリンスの遺産管財人が訴訟を起こしたという話題がすでに広まっている。「バラエティ」誌によると、原告団はボックスヒル氏が「自己の利益のために複数の曲を利用しようとしている」と主張し、今回の収録曲には合計で7万5000ドル(約815万円)以上の価値があると述べた。今回のレコーディング曲は自分のものだと主張するボックスヒル氏に対し、原告側は所有権を求めて争う姿勢を見せている。

今のところ、私たちはプリンスの曲を楽しめる。ブルージーなタイトル曲「Deliverance」は、こちらで聞くことができる。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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