オバマケアの代替案「トランプケア」では、2400万人が無保険者になる試算

「大統領の目標は、誰もが保険を利用できるようにすることだ」
U.S. President Donald Trump looks up during a meeting about healthcare at the White House in Washington, U.S., March 13, 2017. REUTERS/Kevin Lamarque
U.S. President Donald Trump looks up during a meeting about healthcare at the White House in Washington, U.S., March 13, 2017. REUTERS/Kevin Lamarque
Kevin Lamarque / Reuters

1月に、ドナルド・トランプ大統領は素晴らしい公約をした。彼の政権の下では 「誰もが」ヘルスケアを受けられると。

「我々は、すべての人に保険を提供する」と、トランプ氏は言った。「ある特定の人々の間では、『支払いができないものは、手には入らない』という哲学があったが、私たちはそれを許さない」

トランプ大統領は2015年にもCBSの番組「60ミニッツ」でも「すべての人が保険の対象だ」と、同様の発言をしている。

ところが、共和党が発表した医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案では、すべての人が保険を持つことができないのは明らかだ。

アメリカ議会で予算分析をする超党派の議会予算局(CBO)は3月13日、共和党のヘルスケア法案(トランプケア)が成立したら、2018年の保険加入者はオバマケア継続の場合より1400万人減少するという試算を発表した。また、今後10年間で2400万人が無保険者になると予測している。

ホワイトハウスはCBOの結論に異議を唱えたが、ショーン・スパイサー報道官は14日の会見で、大統領の1月の公約に対し、「ただし書き」を追加しようとしていた。

スパイサー報道官は、「オバマケアによるプランが高額すぎて支払えない人々が保険に入らない決断をした」と主張した。スパイサー報道官は、トランプケアになると保険プランのコストを下がるため「より多くの人々がヘルスケアを持つ選択肢ができる」と強調した。

スパイサー報道官は、「誰でも保険を手に入れる選択肢があります」と付け加え、「私たちがやりたいことは、医療費を得る財政的能力のあるすべての人に保険を提供することです」と語った。

スパイサー報道官は、「すべての人のための保険」は、「約束」と言うよりは「目標」だと付け加えた。

「大統領の目標は、誰もが保険を利用できるようにすることだ」とスパイサー報道官は語った。 「それが大統領の意図だ。私は、すべてのアメリカ人が購入できる選択肢とプランを持つことが目標だ。オバマケアでは実現していないことだ」

言い換えれば、トランプ大統領が約束したように「誰もが保険を持つ」のではなく、ホワイトハウスの目標は「誰もが保険を持つ選択肢を持つ」ことだ。

CBOが13日に発表した分析によると、医療保険が突然手頃な価格になるというホワイトハウスの主張に疑問を投げかけた。例えば、2万6500ドル(約300万円)の収入がある64歳の女性の場合、保険料は現在の1700ドル(約19万5000円)からトランプケアでは1万4600ドル(約167万円)に跳ね上がる。

また共和党のプランは、オバマケアの「最低60パーセントの医療費を保険が負担する」という規制を撤廃するため、控除額(保険給付が始まるまでの間の自己負担額)も上がるとみている。したがって、保険料自体は下がるかもしれないが、それは保険会社が保険金を抑えるかわりに患者の自己負担分を増やすようなプランを提供できるようになる。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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