アメリカ陸軍、兵士のターバンやヒジャブ着用を認める。新しい規則発表に喜びの声

女性兵士のブレスレット着用とドレッドヘアも認められます。

「信仰上の理由で、ターバンやヒジャブを身につけたい」という兵士たちの願いを、アメリカ陸軍が受け入れる決断をした。

1月3日、アメリカ陸軍は軍の規則を変更し、旅団に属する兵士が宗教上の理由でターバンやヒジャブを着用つけたり、ひげをのばしたりすることを認めるようにすると発表した。宗教的な理由による、女性兵士のブレスレット着用とドレッドヘアも認められる。

この決定の数日前に、信仰上の理由による警察官のひげとターバン着用をニューヨーク市警が認めたばかりだった。

シク教徒警察官協会のメンバーとのジェームス P.オニールニューヨーク市警本部長

イスラム教とヒンドゥー教を融合したインドの宗教「シク教」の信者は、信仰上の理由からターバンを必ず着用しなければいけない。そのため、軍に入隊してもターバンを着用できるようにして欲しいとシク教徒たちは強く求めていた。しかし軍はこれまで、一部の兵士を許可するにとどまっていた。

「信仰上の理由でターバンを着用してきた兵士たちは、これまで素晴らしい実績を残してきました。彼らの行動を見て、信仰上の要望を許可することに決めました」とエリック・ファニング陸軍長官は述べている。

今回の決定を後押しした要因の一つは、宗教的な装いを認めるよう求める訴訟だ。2016年4月、「ターバン着用を認めないのは差別に当たる」として軍を訴えていたシムラプル・シン陸軍大尉に、ターバン着用とひげを認める判決が降りた

ターバン着用とひげを認められたシン陸軍大尉(COURTESY OF THE SIKH COALITION)

判決ではシン大尉のみがターバン着用とひげを認められたが、今回の変更で、普段から熱心に信仰を示していて、宗教的な身なりが「明らかな危険」を及ぼす可能性がなければ、旅団に属する兵士たちは宗教的な装いが認められるようになる。

「宗教的な要望を受け入れることで安全上の危険が生じないか、軍は引き続き調べる」とファニング陸軍長官は述べている。また当分の間、信仰上の理由でひげを伸ばす兵士は、陸軍士官学校に入れず、毒性のある化学物質を取り扱う可能性がある職務にはつけない。

そういった規制は残るものの、規則変更を多くの人たちが歓迎している。

2009年にターバン着用とひげを認められたカマルジット・シン・カルジ少佐は、「ターバンとひげは、多様な人たちの共存と平等を大切にしたい、という私の考えを象徴しています。今回の規則変更は、陸軍も同じように共存と平等を大切にするという表明だと思います。民主主義を強固にする、意味のある決定です」と語った。

また、共和党のジョー・クローリー議員は、自身のウェブサイトにこう掲載している。「これは、アメリカに住むシク教徒だけではなく、アメリカ軍全体にとって大きな前進です。アメリカのシク教徒は、アメリカを愛しています。そして、対等の立場で兵士として国に尽くしたい、そのための平等なチャンスが欲しい、と思っています。今回の決定はそれを実現する助けとなるでしょう」

ハフィントンポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

▼シーク教徒主催 NYの「ターバンの日」(画像集)▼


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