白人至上主義団体クー・クラックス・クラン、トランプ氏勝利後に活発化

「私たちの同胞がトランプ当選に大きな役割を果たした!」

ドナルド・トランプ氏の大統領選勝利後、アメリカの白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)の活動が目立ち始めている。

トランプ氏は、選挙戦でKKKの元最高幹部デイビッド・デューク氏からの支持表明を受けたが、明確に拒否しなかったため非難を集めた。

トランプ氏は2月28日、CNNのインタビューで、「デューク氏は知らない」と語った。「あなたも理解しているように、私はデイビット・デュークについて何も知らない。白人至上主義団体についても何も知らない。彼が私を支持したのか、何が起きているのか、何も知らない」とトランプ氏は語った。その後もデューク氏について質問が続いたが、拒否する姿勢は見せなかった。トランプ氏は翌日、こうした不可解な返答をしたことについて「イヤホンの性能が悪くて質問が聞こえなかった。インタビュー前の集会では、拒否すると答えていた」と釈明している。

またデューク氏は、トランプ氏が勝利した時、「私たちの同胞がトランプ当選に大きな役割を果たした!」とツイートした。

私の人生でも最もエキサイティングな夜となった。間違いなく、我々の同胞がトランプ当選に大きな役割を果たした!

トランプ氏はその後、KKKからの支援を否定している。

■ ノースカロライナ州で「勝利パレード」

また、ノースカロライナ州ロックスボロで12月3日、トランプ氏勝利を祝福するパレードが行われた。地元警察は5日に記者会見を開き、地域社会の懸念を表明した。

このパレードは、もともとロックスボロから車で40分離れたペルハムで行われることになっていた。地元紙「ニュース&オブザーバー」によると、パレードに抗議する人たちがクランズマン(KKKの構成員)と対峙するために3日朝ペルハムに集合したため、KKKはパレードのルートを変更したという。

ペルハムがあるキャスウェル郡で行われたKKKの集会では傷害事件が発生し、2日夜には2人の男が逮捕されている。

ロックスボロで3日午後、KKK勝利パレードにおよそ30台の車が集まった。

アメリカ国旗、南部連合旗 、KKKの旗をはためかせた車のパレードが、ロックスボロを通過した時、地元警察と州警察は交差点を封鎖した。メンバーは「ホワイトパワー!」「当選おめでとう!」と叫んでいた。ロックスボロには約8000人が住んでいるが、警察関係者によるとこのパレードを目撃したのはほんの一握りの通行人で、パレードは数分で終了したという。

これは事件だ。KKKがロックスボロを通り過ぎた。南部連合の戦闘旗をはためかせ、「ホワイトパワー!」と叫んでいる。

ロックスボロ警察署のデビッド・ヘス署長は、警察はKKKのパレードを止めることはできなかったと説明した。しかしKKKの存在が、暴動を引き起こしかねない扇動をしていたと認めた。

CBS系列の地元局WNCNによると、ヘス署長は「私とロックスボロ市は、KKKに寛容というわけではない」と述べた。

「私たちの町が、KKKによって自分たちのメッセージを拡散するために選ばれたのは本当に残念だ。私たちは地元に対して、KKKの露出を制限したり、暴力行為を防止する責任がある。肌の色に関わらず誰もが、肉体的に傷付けられるのは望んではいない」

KKKの系列団体「ロイヤル・ホワイト・ナイツ」に所属し、創設者と結婚した「インペリアル・コマンダー」アマンダ・バーカー氏は「タイムズ・ニュース」に「今回のパレードはトランプ氏の勝利を祝福したものだ」と説明した。

「トランプ氏と私たちは同じ考えを持っている」とバーカー氏は語った。「特にメキシコとの壁や、アメリカに入って来る移民やテロなどについては多くの白人系アメリカ人が同じように思っている。トランプ氏は本当に良いことをして、この国の状況を好転させるだろう」

メンバーは当日、残り時間を「交流会」にする予定だったと、KKKのスポークスマンは「タイムズ・ニュース」に語った。

バーカー氏によると、クランズマンが伝統的に行う十字架を焼く儀式を、今回のパレードでも行うかどうかは事前に決まっていなかったという。メンバーが実際にパレードで十字架に火を付けたかどうかは明らかではない。

一方、ノースカロライナ州都のローリーでは、KKKに反対するデモがあった。

地元局WRAL-TVによると、ノースカロライナ州の民主党は声明でKKKの自動車パレードを「恐ろしい」と非難した。

ノースカロライナ州民主党のパッシー・キーヴァー代表は「このデモは我々の州の多くの人々の気分を害し、対立を引き起こす。私たちはみな、このようなヘイトアクションを拒絶するために、共に立ち上がらなければならない。KKKの標的になっている地域住民の人々の話を聴き、尊重していく」と述べた。

KKKは5月にロックスボロで新規メンバー募集のビラを配布していた。これは不法移民の取り締まりを強化するというトランプ次期大統領に触発された行動だった。

KKKは、ロックスボロに50人のメンバーがいると主張している。スポークスマンは「我々はLGBTの権利、異人種間の交際、移民に反対している」と地元テレビ局WTVDに語っている。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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