トランプ次期大統領の側近スティーブ・バノン氏「シリコンバレーにはアジア人のCEOが多すぎる」

バノン氏が語った「事実」は、現実とはかけ離れたものだ。

ドナルド・トランプ次期大統領から首席戦略官に指名された、保守系オンラインニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」会長のスティーブ・バノン氏は、テクノロジー企業の役員にアジアからの移民が多いと、人種差別とも受け取られかねない発言をしている。

白人至上主義者として知られているバノン氏の発言は2015年11月5日、シリウスXMのラジオ番組「ブライトバート・ニュース・デイリー」で、トランプ氏をゲストに招いた時に飛び出したものだ。バノン氏とその信条には厳しい視線が注がれている。

しかし、トランプ氏はアメリカとメキシコとの国境に壁を建設し、メキシコからの不法移民を追い出すと公約しているが、アイビーリーグ(アメリカ名門8大学の総称)で教育を受けた移民は国内に留まる資格があると述べた。

放送の中でトランプ氏は「人が入国してきて仕事に就き、受け取る給料は少なくなる。その多くは国境の問題と関わっている」と述べる一方で、大金を稼いだり、大きな事業を生む能力のある人は国内に留まるべきだと強調した。

「ハーバード、イェール、プリンストン、ペンシルベニア、スタンフォードなど一流大学の学生が卒業した後、我々が国から追い出せば彼らは戻ってこないだろう」と、トランプ氏は述べた。

番組にレギュラー出演していたトランプ氏は「ひどい話だ。スティーブ、私たちは慎重に考えなければならない。有能な人はこの国に留まらせておくべきだ」

トランプ氏は、バノン氏に意見に賛同するか尋ねたが、バノン氏は答えに戸惑ったようだ。

バノン氏は「シリコンバレーではCEOの3分の2または4分の3が南アジアやアジアの出身者だ。私は……経済より国の方が重要だと思う。アメリカは市民社会の国だ」と述べた。

バノン氏が語った「事実」は、現実とはかけ離れたものだ。2015年5月の調査によると、シリコンバレーの企業で専門職に就くアジア人またはアジア系アメリカ人は全体の27%だ。そしてアジア人のマネージャーは19%未満、役員は14%以下だった。

トランプ氏は、アジア系移民については入国を歓迎するとバノン氏に語った。

バノン氏は「覚えておいでだろうが、我々は"ブライトバート"だ。無知で無教養な奴らのためのメディアだ。だからこの件について、我々は常にあなたの側に立たなければならない」と答えた。

その後トランプ氏は自身の主な移民政策の話に移り、メキシコとの国境に「巨大な」壁を築く計画をバノン氏に語った。

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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