ボブ・ディラン、公式サイトから「ノーベル文学賞受賞者」表記が消える

ボブ・ディランさん(75)の公式サイトから、「ノーベル文学賞受賞者」の文言が10月21日までに削除された。

2016年のノーベル文学賞の受賞が決まったアメリカのミュージシャン、ボブ・ディランさん(75)の公式サイトから、「ノーベル文学賞受賞者」の文言が10月21日までに削除された。13日の授与発表後、ディランさんはコメントを発表しておらず、授与を受け入れるかどうかをめぐって注目が集まっていた。産経ニュースなどが報じた。

21日付のイギリス紙ガーディアンは、公式サイトに掲載されている歌詞集の宣伝文に「ノーベル文学賞受賞者」の一句が20日に書き加えられたと報じ、ディランさんが「ついに受賞することを認めたらしい」と指摘していた。しかし翌21日にはこの文言が消えた。削除がディランさんの意思によるものかどうかは不明だ。

ボブ・ディランさんのサイト、10月20日には「ノーベル文学賞受賞者」と表記されていた。※現在は削除されている

ディランさんをめぐっては、選考委員会が何度も連絡を試みたが、直接話はできていない。17日には、スウェーデン・アカデミーのダニウス事務局長は「彼を探そうと試みたが、今は連絡を取ることをやめた」と発表。12月にスウェーデンの首都、ストックホルムで行われる授賞式にディランさんが出席するかはわかっていない。謎は深まるばかりだ。

■60年代のプロテストソング、ヒッピー文化

ディランさんは1941年、アメリカ・ミネソタ州生まれ。1950年代後半からアコースティック・ギターを抱えてフォークシンガーとして活動を始めた。20歳でレコード・デビュー。1963年に発表した「Blowin' In The Wind」(風に吹かれて)を、人気フォーク・トリオのピーター・ポール&マリー(PPM)がカバーして世界的に大ヒットし、一躍有名になった。

アメリカの公民権運動や、ベトナム戦争への厭戦気分が高まった時代、反体制的なプロテストソングの寵児として人気を不動のものにした。本人のドラッグ使用や、時代の雰囲気や周囲に迎合しない発言なども相まって、伝統や制度など既存の価値観にとらわれない生き方を追求する「ヒッピー文化」の先駆けともなった。

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