森喜朗氏、小池百合子新都知事に注文 東京オリンピック予算を「よく勉強していただきたい」

小池百合子氏は、東京オリンピック予算の積算根拠を求める方針を示しているが…。

2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が8月1日、東京都知事に初当選した小池百合子氏が東京オリンピック予算の積算根拠を求める方針を示していることについて、「我々も施設を削減してきた。よく勉強していただきたい」と注文をつけた。朝日新聞デジタルなどが報じた。

森氏は、オリンピックの開会式などに出席するためリオデジャネイロを訪問。現地で報道陣の取材に応じた。

■森氏「小池氏の主張は全く逆」

東京オリッピック組織委員会は当初、開催費用を約3500億円と見積もっていたが、現状では2兆円を超える見通しとなっている。それに伴い、東京都の負担見積もり額も増加。当初は1538億円とされていたが、2015年12月には2689億円で国と合意したものの、都の負担額はさらに増えるものとみられている。小池氏は、増額の一途をたどる東京オリンピック・パラリンピック関連の予算について、積算根拠を求める方針を示している。

小池百合子氏

これに対し森氏は、「せっかくのコンパクトな計画を組織委が広げて金をかけたと言っていたが、全く逆」と小池氏に真っ向から反論。そもそも招致段階の計画に無理があると、認識の共有を求めた

その上で、選手村から半径8km圏内に会場の85%を集めるとした招致段階の構想では多額の費用がかかるため、近隣県の既存施設を活用して費用を圧縮した経緯を紹介し、「大変お金がかかる。我々も施設を削減してきた。よく勉強して頂きたい」と小池氏に注文をつけた

また森氏は、小池氏と良好な関係を築く自信があるかと問われると、「まあ、小池さん次第ですね。私は奉仕のつもりでやっている。それをおくみ取りいただけなければ、うまくいかない」と、小池氏をけん制した

一方で森氏は、リオオリンピック閉会式に出席する予定の小池氏を、「一躍、ヒラリー(・クリントン)さんより人気者になるかもしれないな」と持ち上げる場面もあった。小池氏は閉会式で、開催都市の引き継ぎセレモニー「フラッグハンドオーバー」に臨む

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